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  • 三井寺眞はなぜ16歳でJ1に通用するのか?フォーリクラッセ時代からマリノス、U-21代表までの軌跡

    16歳でプロ契約。J1開幕戦で先発し、開始7分でゴール。そして、U-21日本代表への飛び級選出。

    横浜F・マリノスの三井寺眞(みいでら・しん)選手が、驚くべき速さで階段を駆け上がっています。

    ただ、彼の魅力を「16歳の天才」という言葉だけで片づけてしまうのは、少しもったいない気がします。

    青森でサッカーを始め、仙台の街クラブで磨いた技術と判断力。自分が成長できる環境を選び、年上の選手にも挑み続けてきた歩み。その積み重ねを知ると、今の活躍がもっと面白く見えてきます。

    なぜ三井寺選手は、16歳でプロの舞台に立ち、違いを生み出せるのか。

    フォーリクラッセ時代から現在まで、その成長とプレーの魅力をたどります。

    ※プロフィール・代表選出情報は2026年11月8日時点。公式戦成績はクラブ発表の11月6日時点です。

    三井寺眞とは?まず知っておきたいプロフィール

    項目内容
    名前三井寺 眞(みいでら・しん)
    生年月日2010年4月2日
    年齢16歳
    出身地青森県弘前市
    身長・体重174cm・65kg
    ポジションMF
    利き足左足
    所属横浜F・マリノス
    背番号47
    経歴AC弘前 → FCフォーリクラッセ仙台 → 横浜F・マリノスユース

    クラブ公式プロフィールには、出身校として弘前市立北小学校、仙台市立田子中学校、第一学院高等学校が記載されています。フォーリクラッセ仙台は、現在のフォーリクラッセTOHOKUです。

    華やかな経歴が目を引きますが、その出発点は、友人からの誘いでした。

    原点は青森。小学2年生で始まったサッカー人生

    三井寺選手がサッカーを始めたのは小学2年生。保育園の頃から一緒だった友人に誘われたことがきっかけだったと、プロ契約会見で明かしています。地元のAC弘前でプレーした後、中学年代では仙台へと活動の場を移しました。

    小学校から中学校へ進む時期は、身体も心も大きく変わる年代です。そのタイミングで地元を離れ、新しい環境に飛び込む。

    三井寺選手の歩みを振り返るうえで、この選択は欠かせません。

    後にプロ契約会見で語った進路選びの基準も、サッカーを楽しめること、そして自分が強くなれると感じられることでした。

    その姿勢は、仙台から横浜へと続くキャリアにも通じています。

    フォーリクラッセ時代に磨いた「技術」と「責任感」

    財前宣之氏のもとで学んだ、創造性と基礎

    中学時代に所属したフォーリクラッセでは、元Jリーガーの財前宣之氏から指導を受けました。

    三井寺選手自身、財前氏から教わったことで今に生きているものとして、創造性と基礎を挙げています。

    相手の意表を突くプレーには、ボールを思いどおりに扱える技術が必要です。

    正確に止められるから、次の選択をぎりぎりまで隠せる。狙った場所へ蹴られるから、相手が予想していないコースも使える。

    三井寺選手の自由な発想を考えるとき、その土台にある基本技術にも目を向けたくなります。

    年上のチームに入るなら、戦力として何ができるか

    財前氏の指導で印象的なのが、上の学年でプレーする際の心構えです。

    Number Webの取材では、1年生であっても上のチームで試合に出る以上、戦力として貢献する姿勢を求めていたことが紹介されています。

    年上の選手に交じって試合に出れば、身体の大きさや経験で難しさを感じる場面もあるでしょう。

    その中で、自分は何を武器にできるのか。どうすればチームを助けられるのか。

    こうした問いに向き合う経験が、プロの舞台で自分の特長を出す準備になったのではないでしょうか。

    中学3年で18試合26得点。その才能が全国へ

    2025年、三井寺選手は東北みちのくリーグで18試合26得点を記録し、得点王に輝きました。得点ランキング2位には12点差。進路を巡っては、20以上のJクラブによる争奪戦になったと報じられています。

    18試合で26得点という数字は、一度の好プレーで残せるものではありません。

    相手に警戒されてもゴールに迫り、試合を重ねながら結果を出す。その継続性も、多くのクラブが注目した理由を考える手がかりになります。

    なぜ横浜F・マリノスを選んだのか?

    数ある選択肢の中から、三井寺選手が選んだのは横浜F・マリノスでした。

    本人は契約会見で、日産スタジアムのピッチに立ちたいと思ったことや、練習の雰囲気・強度に魅力を感じたことを説明しています。

    憧れのスタジアムがある。日々の練習で刺激を受けられる。そこでプレーする自分の未来を描ける。

    三井寺選手にとってマリノスは、そうした期待を持てる場所だったのでしょう。

    そして2026年4月2日、16歳の誕生日にプロ契約を締結。16歳0日での契約は、クラブ史上最年少記録となりました。

    中学を卒業したばかりの選手が、歴史あるクラブのプロとして歩み始めた瞬間でした。

    J1開幕戦で先発、開始7分でゴール。16歳が残した鮮烈な印象

    2026年8月7日、MUFG国立競技場で行われた鹿島アントラーズとのJ1開幕戦。

    三井寺選手は16歳4カ月5日で先発し、前半7分にゴールを奪いました。さらに、巧みなボールコントロールやスルーパスから攻撃の起点となり、マリノスの全3得点に関わる活躍を見せています。

    この試合で注目したいのは、得点した後も攻撃に関わり続けたことです。

    自分で決める。味方が前進できる状況をつくる。守備の背後へ通す。

    異なる形でゴールに関わったことに、三井寺選手の攻撃の引き出しが表れています。

    ただし、試合はマリノスが3-4で敗戦。個人として鮮烈な印象を残した一方で、チームの勝利には届きませんでした。

    だからこそ、この開幕戦は「完成されたスターの登場」よりも、これから何度も壁を越えていく選手の出発点として記憶したい一戦です。

    三井寺眞の何がすごい?プレーを見るときの3つの注目点

    マリノスの鈴木健仁スポーティングダイレクターは、契約時に三井寺選手のスピード、パワー、攻撃で違いを生むアイデアを評価しています。

    その評価を踏まえると、試合では次の3点に注目すると魅力をつかみやすくなります。

    ① ボールを受けた瞬間、次に何ができるか

    ファーストタッチでどこにボールを置くのか。

    前を向くのか、相手を引きつけるのか、それとも一気に運び出すのか。ドリブルを始める前の一瞬を見ると、その後のプレーの意味が伝わってきます。

    ② 相手をかわした後、ゴールに迫れるか

    一人を抜いた後にも、別のDFが待っています。

    そこで運び続けるのか、パスを出すのか、シュートを狙うのか。技術を使って最終的に何を生み出すかが、攻撃の選手の面白さです。

    三井寺選手についても、華やかな突破と、その先の選択をセットで見てみてください。

    ③ 自分で決める選択と、味方を生かす選択

    契約会見でクラブの小原章吾編成マネージャーが評価したのは、ドリブルやパスを使い、得点とアシストで試合を動かせる点でした。

    ゴールを狙う意欲と、周囲を使う判断。その両方がどう成長していくかは、今後も追いかけたいポイントです。

    背番号47に込めた憧れ。目標はフィル・フォーデン

    三井寺選手が憧れの選手として挙げるのが、マンチェスター・シティのフィル・フォーデンです。

    中学生の頃からプレーを参考にし、同じ左利きとしてボールを持ったときの動きや、ボールを受けるための動き出しを研究してきたと話しています。背番号も、フォーデンと同じ「47」を選びました。

    ここを知ると、ボールを持っていない時間も気になってきます。

    どこで受けようとしているのか。相手の視野からどう外れるのか。パスを出した後、次はどこへ向かうのか。

    ハイライトに映る数秒の前後にも、選手の工夫は詰まっています。

    16歳でU-21日本代表へ。次は年上の国際舞台に挑む

    2026年11月6日、三井寺選手のU-21日本代表選出が発表されました。

    遠征先はスペインとエジプト。11月13日にU-21スペイン代表、17日にU-21エジプト代表と対戦する予定です。

    同じ発表で示された11月6日時点のJ1通算成績は、10試合2得点。16歳でプロの公式戦経験を積み、さらに年上の代表カテゴリーへ挑む機会をつかみました。

    注目したいのは、出場機会を得たときに自分の武器をどこまで出せるかです。

    より速く寄せてくる相手に、ボールを運べるか。限られた時間で判断し、ゴールに関われるか。

    フォーリクラッセで年上に挑んだ選手が、今度は国際舞台で新しい基準に触れる。その経験が、マリノスでのプレーにどう返ってくるのかも楽しみです。

    三井寺眞の物語は、ここからさらに面白くなる

    青森のAC弘前から、仙台のフォーリクラッセへ。そして横浜F・マリノス、U-21日本代表へ。

    その歩みをたどると、目を引く記録の後ろに、環境を選ぶ決断と、技術を磨く日々が見えてきます。

    今後は活躍によって相手の警戒も強まり、思いどおりにいかない試合も増えるでしょう。そのとき、何を工夫し、どんな武器を身につけていくのか。

    三井寺眞選手を今から追いかける面白さは、その成長を一緒に見届けられることにあります。

    次にマリノスの試合を見るときは、背番号47のファーストタッチと、その後の選択に注目してみてください。

    一つのプレーをきっかけに、次の試合も見たくなる。そんな期待を抱かせてくれる16歳です。

  • 福田師王はどんな選手?日本代表初招集の理由と、神村学園からドイツで磨いた3つの武器

    高校サッカーで注目されたストライカーは、ドイツでどのような成長を遂げたのか。

    2026年11月、カールスルーエSCでプレーする福田師王(ふくだ・しおう)が、日本代表に初招集されました。神村学園からJリーグを経由せずにドイツへ渡った22歳が、A代表の舞台に挑みます。

    福田の魅力は、ゴール前での決定力だけではありません。相手の背後を取る動き、178cmという身長以上の存在感を放つヘディング、そして前線からの守備。得点につながる場面以外にも、注目したいプレーがあります。

    この記事では、福田師王のプロフィールと経歴を振り返りながら、日本代表で見たいプレーを解説します。

    福田師王のプロフィール|所属チームや身長は?

    項目内容
    名前福田 師王(ふくだ しおう)
    生年月日2004年4月8日
    年齢22歳(2026年11月時点)
    出身地鹿児島県鹿屋市
    身長・体重178cm・70kg
    ポジションフォワード
    利き足右足
    所属クラブカールスルーエSC(ドイツ2部)
    背番号13

    福田は、相手DFの背後への抜け出しや、クロスに「点」で合わせるプレーを得意とするストライカーです。抜群の跳躍力を生かしたヘディングも、大きな武器として挙げられます。

    神村学園からドイツへ          高校サッカーの得点王が選んだ道

    全国の舞台で示した得点力

    福田の名前を高校サッカーで知った人も多いでしょう。

    神村学園高では、全国高校サッカー選手権で3年連続の大会優秀選手に選出。高校2年時にはインターハイで得点王となり、3年時の選手権でも得点王に輝きました。チームのベスト4進出にも貢献しています。

    全国の舞台で結果を残した福田が、次の挑戦先に選んだのはドイツでした。

    Jリーグを経由せず、ボルシアMGへ

    福田は2023年1月にボルシア・メンヒェングラートバッハへ加入。U-19、セカンドチームで経験を積み、2024年1月にはトップチームへ昇格しました。

    さらにブンデスリーガで初ゴールも記録。しかし、継続して試合に出るためには、もう一段階の挑戦が必要でした。2025年8月、出場機会を求めてドイツ2部のカールスルーエSCへ期限付き移籍します。

    海外移籍そのものが、成功を保証するわけではありません。福田の歩みを見ると、移籍した後にどこで経験を積み、どう出場機会をつかむかが大切だと感じます。

    カールスルーエでの成長         日本代表初招集につながったもの

    カールスルーエへ移った福田は、2026年夏に完全移籍。今季はリーグ戦で出場機会をつかみ、代表招集時点で8試合3得点2アシストを記録しています。

    ただ、代表入りの理由を得点数だけで説明するのは十分ではありません。

    森保一監督は、福田が試合ごとにできることを増やし、高い強度の中でもプレーの質を発揮している点を評価しています。ドイツ1部でも通用する力があるという見方も示しました。

    ゴールを決める力に加え、激しい試合の中でチームのために働けること。その成長が、A代表初招集につながったと考えられます。

    福田師王のプレースタイル        注目したい3つの武器

    ここからは、福田の特徴を試合観戦の視点で整理します。

    ① DFの視界から消える、ゴール前の動き

    福田を見るときは、ボールを持っていない時間にも注目してください。

    ストライカーにとって大切なのは、パスが来てから動くことだけではありません。相手DFの背後をとる動き。クロスが上がる前のマークを外す動き。そうした小さな駆け引きが、シュートを打つための余裕を生みます。

    福田が得意とする裏への抜け出しや、クロスに合わせるプレーも、この視点で見ると面白くなります。

    「なぜ、そこにいるのか」。得点直前の数秒を見直すと、ストライカーとしてのが嗅覚が見えてきます。

    ② 178cmでも武器になるヘディング

    福田は、欧州のセンターフォワードとして突出した長身ではありません。それでも、跳躍力を生かしたヘディングに強みがあります。

    空中戦は、身長だけで決まるものではありません。

    どの位置から入り、いつ跳び、どこでボールを捉えるか。相手より先に動き出せれば、体格差を補える場面があります。

    福田のヘディングを見る際は、ジャンプの高さだけでなく、クロスが上がる前の立ち位置と助走にも注目したいところです。

    ③ 得点機会を生み出す前線からのチェイス

    もう一つの注目点が、前線からの守備です。

    前線の選手が相手DFへ寄せることで、パスの方向を限定したり、味方がボールを奪いやすくなったりします。自分で奪い切れなくても、その走りがチームの攻撃につながることがあります。

    森保監督が評価したプレー強度も、福田を見るうえで欠かせない視点です。

    代表戦では、シュート本数だけでなく、相手への寄せ方やボールを失った直後の動きまで追うと、起用の狙いが見えてくるでしょう。

    日本代表で福田師王に期待したいこと

    今回の初招集で注目したいのは、クラブで磨いた特徴を代表でも発揮できるかです。

    特に見たいのは、次の3点です。

    • クロスに対して、相手DFより先にボールに触れるか
    • 背後への動き出しを繰り返せし、相手マークを外せるか
    • 前線からの守備で、周囲の選手と連動できるか

    代表では、一緒に練習できる時間が限られます。その中で味方の特徴を理解し、自分の得意な形を共有できるかも重要です。

    11月の日本代表は、シンガポールでブラジル、パラグアイと対戦する予定です。福田に出場機会が訪れれば、強豪相手に現在地を示す機会になります。

    高校時代から持つゴールへの感覚に、ドイツで積み重ねた経験がどう重なるのか。

    福田師王の代表でのプレーは、ボールが届く前の動きから追ってみてください。ゴールの瞬間だけでは分からない、このストライカーの面白さが見えてくるはずです。

  • 【U-21日本代表】11月遠征メンバー25人発表!16歳・三井寺眞の飛び級招集とスペイン戦で見たいこと

    16歳の三井寺眞が、ロサンゼルス五輪を目指すチームへ。さらに、A代表経験を持つ塩貝健人、佐藤龍之介、齋藤俊輔も名を連ねました。

    11月6日、日本サッカー協会(JFA)がU-21日本代表のスペイン・エジプト遠征メンバー25人を発表しました。

    今回のリストで楽しみなのは、異なる環境で成長してきた選手たちが、一つのチームで競い合うことです。

    欧州でプレーする選手、Jリーグで出場機会をつかもうとする選手、大学で力を磨く選手。そして、年上の世代に挑む16歳。それぞれの現在地が、敵地での2試合に表れます。

    三井寺は得意のドリブルを出せるのか。A代表経験者は周囲をどう動かすのか。大学勢はどんな強みを示すのか。

    今回の遠征を楽しむために、メンバーと日程、注目したいプレーを整理します。

    【全25人】U-21日本代表の招集メンバー

    GK:3人

    背番号選手所属
    1ピサノ アレクサンドレ幸冬堀尾名古屋グランパス
    12小林将天松本山雅FC
    23濱﨑知康明治大学

    DF:9人

    背番号選手所属
    2梅木怜FC今治
    3小杉啓太アイントラハト・フランクフルト
    4喜多壱也レアル・ソシエダ
    5市原吏音AZアルクマール
    6永野修都FC東京
    15森壮一朗ファジアーノ岡山
    21佐藤海宏アルビレックス新潟
    22岡部タリクカナイ颯斗東洋大学
    25小泉佳絃明治大学

    MF:7人

    背番号選手所属
    7石渡ネルソンシントトロイデンVV
    8中島洋太朗サンフレッチェ広島
    10佐藤龍之介バレンシアCF
    14大関友翔川崎フロンターレ
    16笹修大浦和レッズ
    17岩本悠庵中京大学
    18嶋本悠大清水エスパルス

    FW:6人

    背番号選手所属
    9塩貝健人VfLヴォルフスブルク
    11横山夢樹セレッソ大阪
    13齋藤俊輔KVCウェステルロー
    19高岡伶颯パトロ・アイスデン・マースメヘレン
    20石井久継湘南ベルマーレ
    24三井寺眞横浜F・マリノス

    所属先で分けると、海外クラブ所属が8人、国内クラブ所属が13人、大学所属が4人です。

    ただし、所属だけでは実力も役割も決まりません。今回のチームで誰が周囲とつながり、勝利につながるプレーを示せるか。そこから新しい競争が始まります。

    最大の注目は16歳・三井寺眞。年上の相手に何を出せるか

    今回、ひときわ目を引くのが三井寺眞の招集です。

    2010年4月2日生まれの16歳。横浜F・マリノスの発表によると、11月6日時点でJ1通算10試合に出場し、2得点を記録しています。

    16歳という年齢だけでも驚きますが、注目したいのは、すでに大人のプロ選手と競争していることです。その経験が、年代別代表の年上の相手にどう生きるのでしょうか。

    クラブを通じたコメントでは、得意のドリブルやゴールへ向かうプレーで勝利に貢献したいという意欲を示しています。

    私が見たいのは、ボールを受ける前の準備です。

    相手の立ち位置を確認できているか。前を向ける場所に立てているか。最初のタッチで、仕掛けるための時間をつくれるか。

    ドリブルの成否は、ボールを持つ前から変わります。寄せの速い相手に対し、自分の得意な状況をつくれるかが楽しみです。

    もう一つは、止められた後のプレー。再びボールを要求し、次の機会にも仕掛けられるか。そこで見せる姿勢にも、今後につながるものがあるはずです。

    A代表経験者の招集は、チーム全体に何をもたらす?

    塩貝健人、佐藤龍之介、齋藤俊輔の3人は、A代表の9月・10月シリーズにも招集されていた選手です。

    今回の選考には、A代表と五輪世代を連動して強化するという考え方があります。大岩監督は、海外組が経験している厳しい現実も含め、チーム内で共有してほしいという意図を説明しています。

    ここから期待したいのは、経験が周囲のプレーにも伝わることです。

    一人の基準が上がることで、周囲にも速い判断や正確なプレーが求められる。その積み重ねが、チームの成長につながると考えます。

    もちろん、A代表経験者にも、このチームで力を示す競争があります。どの選手と組み、どんな攻撃を生むのか。名前だけで先発を予想できないところにも、今回の面白さがあります。

    大学勢4人にも注目。代表で示したい、それぞれの強み

    大学サッカーを追う立場から見逃せないのが、濱﨑知康、小泉佳絃、岡部タリクカナイ颯斗、岩本悠庵の4人です。

    プロ選手と同じピッチに立つ今回の遠征では、普段の環境との違いを、具体的なプレーで確かめられます。

    大学勢が代表の中でどんな役割をつかむのか。この2試合をきっかけに、普段の大学リーグまで見たくなる選手が出てくるかもしれません。

    スペイン戦で見たいのは、奪った後の「最初のプレー」

    ここからは、私が注目する戦術面の観戦ポイントです。

    スペイン戦では、まずボールを奪った直後を見たいと思います。

    相手に押し込まれた時間が続くと、奪っても味方の位置が遠く、すぐにボールを失うことがあります。それでは守備の時間が長くなり、体力も削られていきます。

    大切なのは、奪った選手を孤立させないことです。

    近くの選手がパスコースをつくる。前線の選手が相手を押し下げる。状況によっては、一度ボールを落ち着かせる。

    その判断を共有できれば、守備から攻撃へ移る場面が増えるはずです。

    塩貝ら前線の選手がどのタイミングで走り、中盤がどうつなぐのか。「奪えたか」に加えて、「奪った後に何ができたか」を見ると、試合の印象も変わります。

    結果よりも自分たちのサッカーができていたかに注目したいですね。

    エジプト戦では、相手に合わせて戦い方を変えられるか

    エジプト戦で注目したいのは、試合の中で対応を変える力です。

    準備してきた形が通用しないとき、選手同士で修正できるか。ベンチからの指示を、ピッチ上で実行できるか。

    スペイン戦で見つかった課題に、次の試合でどんな変化があるのかも見どころです。2試合を続けて追うことで、このチームの対応力が見えてきます。

    中盤の競争も見逃せない

    三井寺や海外組に注目が集まる一方、中盤で誰が出場機会をつかむかも楽しみです。

    大関友翔、石渡ネルソン、中島洋太朗、笹修大、佐藤龍之介、岩本悠庵、嶋本悠大。組み合わせによって、ボールの進め方や守備の形も変わるでしょう。

    味方が前へ出たとき、誰が後方を支えるのか。ボールを失った瞬間、誰が寄せ、誰がパスコースを消すのか。

    攻撃の映像では目立ちにくい動きが、チームを支えることがあります。ボールの周囲だけでなく、少し離れた選手にも目を向けると、中盤の競争をより楽しめるはずです。

    この遠征で、次に見たくなる選手は誰か

    今回の25人には、すでに名前を知っている選手も、これから詳しく知りたい選手もいます。

    16歳の三井寺が年上の相手に挑む姿。A代表経験者が見せる判断。大学勢が自分の強みを示す瞬間。楽しみ方はいくつもあります。

    そして、代表戦で気になった選手を、所属クラブや大学でも追ってみる。普段の試合を知ることで、次の代表戦がさらに面白くなりますね。

  • 【日本代表】11月遠征メンバー28人発表!南野・町田の復帰、福田師王の初招集で何が変わる?

    帰ってきた選手と、初めて日の丸を背負う選手。この28人が、ブラジル相手にどんな日本代表を見せてくれるのか。

    11月4日、日本サッカー協会(JFA)がシンガポール遠征に臨む日本代表メンバーを発表しました。

    注目は、大怪我から代表に戻ってきた南野拓実と町田浩樹。そして、初招集をつかんだ22歳のストライカー・福田師王です。

    対戦相手は、11月14日のブラジルと17日のパラグアイ。復帰組と新戦力が加わる日本にとって、南米勢との2連戦は現在地を確かめる機会になります。

    さらに、アジアカップ延期によって森保一監督の任期にも注目が集まっています。

    今回の遠征で何を見るべきか。メンバー、試合日程、そしてチームづくりの行方を整理します。

    【全28人】シンガポール遠征の招集メンバー

    今回のメンバーは、GK3人、DF8人、MF/FW17人です。

    GK:3人

    | 選手 | 所属クラブ |

    | 早川友基 | 鹿島アントラーズ |

    | 小久保玲央ブライアン | シントトロイデンVV |

    | 鈴木彩艶 | アストン・ヴィラ |

    DF:8人

    | 選手 | 所属クラブ |

    | 板倉滉 | ボルシア・メンヘングラートバッハ |

    | 渡辺剛 | フェイエノールト |

    | 町田浩樹 | TSGホッフェンハイム |

    | 伊藤洋輝 | バイエルン・ミュンヘン |

    | 瀬古歩夢 | ル・アーヴルAC |

    | 中野就斗 | サンフレッチェ広島 |

    | 菅原由勢 | カリャリ・カルチョ |

    | 鈴木淳之介 | FCコペンハーゲン |

    MF/FW:17人

    | 選手 | 所属クラブ |

    | 伊東純也 | KRCゲンク |

    | 南野拓実 | ASモナコ |

    | 鎌田大地 | クリスタル・パレス |

    | 坂元達裕 | コベントリー・シティ |

    | 相馬勇紀 | FC町田ゼルビア |

    | 小川航基 | FC町田ゼルビア |

    | 前田大然 | イプスウィッチ・タウン |

    | 堂安律 | アイントラハト・フランクフルト |

    | 田中碧 | リーズ・ユナイテッド |

    | 中村敬斗 | オリンピック・リヨン |

    | 佐野海舟 | マインツ05 |

    | 久保建英 | レアル・ソシエダ |

    | 鈴木唯人 | SCフライブルク |

    | 松木玖生 | サウサンプトンFC |

    | 佐野航大 | PSVアイントホーフェン |

    | 福田師王 | カールスルーエSC |

    | 後藤啓介 | SCフライブルク |

    ※所属はメンバー発表時点。招集メンバーはJFA発表に基づきます。

    南野拓実と町田浩樹が復帰。戻ってきた先に期待するもの

    今回の発表で、まず心を動かされたのが南野と町田の名前でした。

    2人とも左膝前十字靱帯損傷を乗り越えての代表復帰。南野は約1年ぶり、町田は1年5か月ぶりの招集となります。南野は今夏のワールドカップに選手として出場できなかった一方、メンターとしてチームに帯同していました。

    ピッチに立ちたい気持ちを抱えながら、仲間を支える。その時間を経て、再び選手として代表に戻ってくる。南野がユニフォーム姿でピッチに入る瞬間には、特別な感情が湧きそうです。

    ただ、試合で注目したいのは、その先です。

    南野が相手の中盤と最終ラインの間でボールを受けたとき、周囲の攻撃はどう動くのか。久保や堂安らとの距離感、ゴール前に入るタイミングを見たいと思います。

    町田については、守備の安定に加え、後方から攻撃を始める場面に注目です。相手のプレスを受けたときに、どこへパスを通し、味方を前進させられるか。

    2人の復帰が、日本のプレーの選択肢をどれだけ増やすのか。そこに今回の楽しみがあります。

    初招集の福田師王。見たいのは「代表の速さ」への対応

    新戦力で最も気になるのが、福田師王です。

    神村学園高校からJリーグを経ずにドイツへ渡り、今回、初めてA代表に選ばれました。高校サッカーで姿を見ていたファンにとっても、感慨深い招集ではないでしょうか。

    初招集のFWには、どうしてもゴールへの期待が集まります。もちろん、代表デビュー戦で得点を決めれば最高です。

    そのうえで、私は次の3つに注目しています。

    ①味方が前を向いた瞬間に、背後への動き出しを合わせられるか。

    ②強いプレッシャーを受けても、ボールを収めることができるか。

    ③攻撃が終わった直後のトランジション。

    代表では、味方の判断も相手の寄せも速くなります。その中で周囲と呼吸が合えば、持ち味を出せる場面も増えてくるはずです。

    今回の招集が、福田にとって次の扉を開くきっかけになるのか。出場時間を得たときの、一つひとつのプレーを追いたくなります。

    坂元達裕の5年5か月ぶり復帰にも注目

    坂元達裕の再招集も、今回の大きな見どころです。

    代表復帰は2021年6月以来、実に5年5か月ぶり。所属クラブでのプレーが評価され、再び代表の競争に加わりました。

    私が見たいのは、サイドでボールを受けた後の判断です。

    相手を抜き切るのか。味方を使って前進するのか。相手を引きつけ、別の選手が使えるスペースを生み出すのか。

    代表にはタイプの異なるアタッカーがそろっています。その中で坂元がどんな組み合わせを生むのかは、今後の選手起用を考えるうえでも興味深いポイントです。

    ブラジル戦の焦点は、日本から仕掛ける時間をつくれるか

    強豪相手の試合では、ついボール保持率やシュート数に目が向きます。

    今回、私が確かめたいのは、日本が意図を持って相手に圧力をかけられるかという点です。2026年のワールドカップのブラジル戦ではボール保持する時間があまりにも短すぎました。

    今回は、前線の選手がプレスに出たとき、中盤と最終ラインも押し上げられるか。ボールを奪った後、相手の守備が整う前に前進できるか。

    前の選手だけが追いかければ、後方との間にスペースが生まれます。逆に、チーム全体が連動すれば、高い位置で攻撃を始められる可能性が高まります。

    その連動を、個の力に優れる相手にも続けられるか。成功した場面と崩された場面の両方に、日本の課題が表れるはずです。

    パラグアイ戦では、ゴール前をどう崩すか

    パラグアイ戦で注目したいのは、相手が守備を整えた状況での攻撃です。

    もし中央を固められたら、外からどう動かすのか。サイドに相手を寄せた後、中央へ入り直せるか。クロスを上げるなら、誰が、どの位置に入るのか。

    ボールを回す時間が長くても、ゴールに近づけているとは限りません。

    南野の動き出しや、久保・堂安らの連係、新たに加わる選手の特徴が、決定機にどう結びつくのか。ブラジル戦とは違う角度から、攻撃の完成度を確かめられる一戦になりそうです。

    ※ここまでの戦術面は、筆者が注目する観戦ポイントです。

    アジアカップ延期で森保監督の任期はどうなる?

    ピッチ外では、監督体制の行方も気になります。

    AFCは11月3日、アジアカップの日程を、当初の2027年1月7日〜2月5日から、2027年12月23日〜2028年1月21日へ変更すると発表しました。新日程はFIFAの承認に付されます。

    大会の延期は、代表の準備計画にも影響します。

    森保監督から大岩剛監督へ引き継ぐ方針が示されている一方、延期後の任期の扱いについて、山本昌邦ナショナルチームダイレクターは会見時点で明言していません。

    したがって、現段階で「今回が森保ジャパンの最後の活動になる」と決めつけることはできません。

    ここからは私の考えですが、後任の名前や交代時期と併せて見たいのが、チームに何を引き継ぐのかという点です。

    守備の基準、攻撃の共通理解、選手の組み合わせ。今回の2連戦で積み上げたものが、次の活動でも使える形で残るかどうか。

    監督体制の調整が続く中でも、選手たちの経験を将来につなげることはできます。シンガポールでの180分には、その意味でも価値がありますね。